研究:感情制御の発達と親子関係

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《 臨床実践に関するもの 》

 大河原美以(2015)子どもの感情コントロールと心理臨床 日本評論社

 

大河原美以(2018)暴言・暴力に苦しむ児童への対応の方法-子どもの解離状態を改善するためのコミュニケーションスキル-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,第69集,191-203

 

《 臨床仮説を実証した研究(2016-2021年)》

科研費:課題番号16K042932016-2020年;基盤研究(C)(一般)

研究課題名:母子のトラウマ体験が子の感情制御の発達に及ぼす影響

 

この研究により「自分が子どものときに親から自分のネガティヴな感情を承認してもらえなかった人は、自分の子育てにおいても、我が子のネガティヴな感情を受容することにつまずき、そのために、子どもの感情制御の育ちに困難が生じてしまう」という臨床仮説が実証されました。しかし重要なのは、たとえそうであったとしても、「泣く」ことに対する認識が肯定的な人(泣いてもいいんだと思える人)や、子育て中に夫に自分のつらい気持ちを承認してもらえている人は、そのようなことにならないということが、わかったことでした。「泣く」ということに対する認識は、いまからでも変えることができます。また、子育てにおける最初のSOSは授乳時の心理的混乱によって示され、その段階で支援を受けることができたなら、子どもの感情制御の問題が予防できる可能性があることがわかりました(詳細は下記の論文をごらんください)。研究の成果として、このことをお伝えするための”啓蒙用のリーフレット”を作成しました。心理教育教材のページにアップしてありますので、ご利用ください。

 

 

鈴木廣子・大河原美以(2018)乳幼児期の親子のトラウマ体験-東日本大震災の被災事例が教えてくれたこと-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,第69集,205-223.

 

 

鈴木廣子・大河原美以・林もも子・猪飼さやか(2019)母子のトラウマ体験が子の感情制御の発達に及ぼす影響(1)-東日本大震災被災評価質問紙の作成-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,第70集,103-115. 

 

大河原美以・鈴木廣子・林もも子・猪飼さやか・響江吏子(2019)母子のトラウマ体験が子の感情制御の発達に及ぼす影響(2)-どのようにして愛着システム不全は生じるのか(横断研究)-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,第70集,117-130. 

 

大河原美以・鈴木廣子・林もも子(2020)母子のトラウマ体験が子の感情制御の発達に及ぼす影響(3)-どのようにして感情制御の発達不全は生じるのか(横断研究)-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,第71集,88-102.

 

大河原美以・鈴木廣子・林もも子(2021)母子のトラウマ体験が子の感情制御の発達に及ぼす影響(4)-授乳時の愛着システム不全と幼児期の感情制御の発達不全との関係(縦断研究)-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系72集,141-156.

   

《 臨床仮説を実証するための予備研究(2010-2015年)》

大河原美以(2010) 教育臨床の課題と脳科学研究の接点(1)-「感情制御の発達不全」の治療援助モデルの妥当性-, 東京学芸大学紀要,総合教育科学系,61,121-135.

 

大河原美以(2011) 教育臨床の課題と脳科学研究の接点(2)-感情制御の発達と母子の愛着システム不全-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,62, 215-229.

 

大河原美以・鈴木廣子・藤岡育恵・殿川佳子・響江吏子 (2011) 幼児の感情制御の発達不全評価尺度の作成(1)-2歳児における質的データの分析-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,62, 231-240.

 

 

鈴木廣子・大河原美以・殿川佳子・藤岡育恵・響江吏子(2011) 母子の愛着システム不全評価尺度の作成(1)-2歳児における質的データの分析-, 東京学芸大学紀要, 総合教育科学系,62, 241-255.

 

大河原美以・猪飼さやか・福泉敦子(2013) 母からの負情動・身体感覚否定経験認識質問紙の作成-因子妥当性と信頼性の検証-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,64,163-169.

 

大河原美以・響江吏子(2013) 感情制御困難を生み出す日本特有の親子関係-日米の差異を探索する調査を通して-,東京学芸大学教育学部附属教育実践研究支援センター研究紀要,9,39-50.

 

大河原美以・鈴木廣子・猪飼さやか・響江吏子(2015)幼児の感情制御の発達不全評価尺度の作成(2)-妥当性と信頼性の検証,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,66,263-270.

 

鈴木廣子・大河原美以・猪飼さやか・響江吏子(2015) 母子の愛着システム不全評価尺度の作成(2)-妥当性と信頼性の検証-,東京学芸大学紀要,総合教育科学系,66,253-261.

  

 

《 臨床仮説の生成にいたる実践研究(2002-2004年)》

大河原美以(2002) 小学校における「きれる子」への理解と援助-教師のための心理教育という観点から-,東京学芸大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要,26,141-151.

 

大河原美以(2003) 小学校における「きれる子」への理解と援助(2)-22例の分析からみた「問題」のなりたち-,東京学芸大学紀要,1部門教育科学,54,103-110.

 

大河原美以(2003) 小学校における「きれる子」への理解と援助(3)解離状態の子どもへの治療援助技法,東京学芸大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要,27,11-25.

 

大河原美以(2004)親子のコミュニケーション不全が子どもの感情の発達に与える影響-「よい子がきれる」現象に関する試論-,カウンセリング研究,37(2)180-190.